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持ち物(外装・リュック内)準備の要諦は「あれば便利なモノを持たない」ことです。

お遍路さんの装束             

私の歩き遍路の外装
○金剛杖=急なへんろ道や疲れた時に随分と役に立ちます。
金剛杖は自作(長さは身の丈)を奨めます。市販品は130cmと短く、自動車遍路さん向けです。
○遍路笠=軽く涼しくて、日除けや雨の日に役に立つ優れものです。
笠紐は付換えてください。→用具の改良
○白衣=
袖付きの白衣をお奨めします。山中でも目立ち、安心です。なお、毎日洗濯します。
○わげさ=簡略化した法衣です。札所で着用します。
○リュック=へんろ旅に必要な、最低限の荷物類を背負います。20〜30gがお奨めです。リュックは背負い方により身体の疲労度が随分と違ってきます。
○和手拭=頭に被るのが一般的、汗対策の優れ物、何かと便利です。
○便利バック(さんや袋)=手元に持ち、頻繁に使用する用具類の保管に便利で前方過重となり、バランス上からも楽です。

さんや袋を使用する場合は掛け方を工夫(右写真参照)してください。
○肩掛け型ペットボトル・ホルダー=リュックを下さずに、随時に水分補給ができ、身体が楽です。
○ズボン=速乾性の素材(ポリエステル)が良いです。ジャージ類が最適。
○手袋=スベリ止め付きの手袋をお奨めします。



首と両肩を通してリュックの背負いベルトに
「さんや袋」を掛け身体の前で保持します。
私の携行荷物類
リュック内の荷物内訳》→リュックは、胸と腰にベルト付がフィットして楽です。
○一日分の着替類。=宿で洗濯可能のため最小限でOK。
○雨具類。=防寒具として代用可。冬場はウインドブレーカーと防寒手袋追加。
○納経用具。=判取白衣、納経帳、勤行用具・線香・ローソク・賽銭等。
○洗面用具、救急薬品、
キネシオテープ、絆創膏、ハサミ、ティシュ等。
○予備ペットボトル、念珠、納札、貴重品類、ビニール袋、携帯食料等。
○充電用機器。=携帯電話、デジカメの電池は突然に切れます。

便利バック・さんや袋内の小物類》→リュックの肩ベルトに取り付けられるように工夫すること。
○納経帳・納札・勤行次第・歩き遍路地図、デジカメ、携帯電話、貴重品類、筆記具等。 →地図は「
四国遍路ひとり歩き同行二人」だけが役に立ちます。
私の背負っているリュック込みの総重量は8kg未満です。
       

「金剛杖」+「遍路笠」+「白衣」  

 「四国」と「お四国」は違います。 「四国」は地理上の区分であり、日本 国土の一部です。 しかし、『お四国』は「お遍路さん」と「お大師様」と「お四国の住人」と「歴史」の相互作用によって創られる全くの別世界です。 「お 四国の住人」達は、リュックを背負い菅笠をかぶり、白衣を着て金剛杖を持ちながら歩いて巡られる方々を「お遍路さん」と認識し、お大師様への功徳として接 しています。 そしてそこに、お遍路さんとお四国の住人の間に『お四国』の世界が生れ、遍路文化の舞台が開かれます。 だから、四国を巡られる方々も「お 遍路さん」と認識される御姿をしていただかないと『お四国遍路文化』の舞台の主人公として登場できず、相互作用も働きにくくなります。 例えばですが、山 歩き姿やハイキング姿で、あるいは貴方のお好みスタイルやご都合で歩いても、それは貴方のご自由です。 しかし、自分勝手な歩き方で歩かれても、「お四国 の住人」にとっては貴方を「お遍路さん」と認識できにくいのです。  → お遍路さん です。

雨具は必携です。    

 お遍路は、雨の日も歩きます。 だから、必ず雨具を持参してください。 雨具には、○セパレーツ型、○ポンチョ型、○レインコート型に大きく分かれます。 は、降るものです。
雨具を準備される場合、次のことに留意してください。
@が望ましい。 雨の日は、概して視界不良ですので、車道を歩く場合は自動車の運転手に目立つように、山の遍路道では貴方の存在が分かり易いように、明るい目立つ色合いの雨具を体験上からお奨めします。 →猟銃の発射音が聞こえる山中のへんろ道も歩きます。 自分の存在が周囲に分かり易い雨具の色合いがお奨めです。
Aセパレーツ型にはリュックカバーを、ポンチョ型とレインコート型にはズボンタイプの雨具を、組み合わせてください。
B雨傘? 折りたたみ傘や使い捨て傘を持っているお遍路さんもいますが、邪魔のように思います。 小雨なら菅笠で大丈夫ですし、大雨なら雨具でないと対応できません。 無駄な荷物になるだけ、と思いますので雨傘はお奨めできません。
C透湿性? いろんな雨具の素材があるようで、超高額の雨合羽も売られています。 でも、雨の中を長時間・長距離リュックを背負って歩きますので雨合羽の 中は、外気の湿度及び自分の汗と体温で随分と湿ります。 内部と外部が共に湿度100%ですから、合羽を通過する水蒸気の流出入など発生しません。→パ ンフレットに宣伝されているイメージほどの性能差など、あるように感じることはありませんでした。 
 
 

リュックの大きさ?   

20〜35gの大きさが適するように思います。 20gですとやや窮屈です し、35gを超える場合は荷物を持ちすぎて歩くだけで疲労するように思います。 容量もさることながら、重量が最大の問題となります。 体験上ですが、 リュック込重量が8kg未満に収まるようにするのが望ましいと思います。 *野宿される方は、テント等の重量も考慮してください。
※傍目で見ての判定です。 → 屈強な若者を除いた普通のお遍路さんが、10kgを超える荷物を背負っている場合、そのほとんどがヘトヘト
くたくたの状況のように思われます。
※リュックに空きスペースができても、荷物をそのスペースに詰めないでください。担ぐのは貴方ですし、苦労するのも貴方だけです。

優れものの便利グッズ   

自分が使い易いように改良しましょう。

便利バッグ
リュックの肩ベルトにワンタッチで取り外しができるように手直して使っています。 頻繁に使用する地図や小物類、デジカメ等の収納に重宝です。 前 過重となり、バランス上でも楽です。 柔らか素材の方が、動きの妨げにもなりませんのでお奨めです。 なお、歩き遍路にとって、市販の「さんや袋」を肩 から斜めに掛ける持ち方で使うと動きの邪魔となります。→首と両肩を抜き、リュックの肩ベルトに掛けるようにすれば動きを妨げずに便利です。
→次欄に説明あり。
肩から斜めに吊るすペットボトルホルダー
水分補給のためにリュックを上げ下ろしするのは、案外に疲れます。写真のホールダーですと、リュックに関係なく随意に水が飲めますし、持ち運びに便利で す。 特に、急傾斜のへんろ道などでは効果が大です。 100円ショップなどで購入できます。 なお、吊り下げ紐の長さは調整してください。
☆経験上から、
絶対のお奨めグッズです。→次欄に使用例の写真があります。

「さんや袋」の背負い方   

身体の前後に荷物を振り分けます。=発想の転換です。

 さんや袋はお遍路のイメージにも合い納経用品や小物類を持ち運ぶ用具とし て多くのお遍路さんに利用されています。車やバス利用の札所巡りの方々には定番グッズです。でも、歩き遍路にとって、さんや袋を首から斜めに掛けて持ち歩 くやり方は、保持する位置が定まらず、動きを妨げ、邪魔になります。そこで、体験から見い出した「さんや袋の背負い方」を説明します。 事前準備=さんや 袋のベルトを少し長めに調整します。 手順@リュックを背負います。 Aさんや袋のベルトの中に、頭・首・両肩をくぐらせます。 Bさんや袋のベルトを既 に背負い済みのリュックの肩ベルトに掛けて、さんや袋の袋部分を身体の前面に吊るようにします。→左右の写真を参考にしてください。 Cさんや袋の保持位 置を調整します。足の動きを妨げない位置に保持します。 Dできあがりです。両手が自由に使え、前荷重となり全体の荷重バランスもよくなります。 (注 意)a.雨天対策としてビニールカバー等を検討すること。 b.国産品が少なくなり、中国等の輸入品が増えてきているようです。→中国製は粗悪品が多いので品質のチェックを充分にしてください。

昼食?     

一日二食(朝+夕)になりがちです。

 へんろ道には、ほとんどお店や食堂がありません。 途中で調達することを 当てにしては駄目です。 ましてや、未知・未体験の場所や地域を歩いて行くのですし、歩き遍路は行楽気分のハイキングでもありません。 極端ですが、昼飯 を食べなくても死にはしません。 歩き疲れますので、空腹を感じる余裕など生まれてこないようにも思います。
 昼食が欲しい場合は、次のようにしてください。 
お店があった時に必ず調達すること、つぎのお店がある保証はありません。 携行食料(カロリーメイ トや乾パン等)を事前に用意しておくこと。 お宿にお弁当をお願いすること。 →お宿で、朝食と夕食は十分に食べてください。 概して、お遍路は一日 二食(朝+夕)になりがちです。

アドバイス お店や食堂など自分に都合のよいものが当然にあると思っていることが、自分に都合のよいことなどは本来なにも無いというのがです。 何も無いという「」の道筋を愚直に一歩一歩と歩かせていただくから修行なのです。

外傷用救急セット  

ご自分に合った常備薬や救急医薬品を持参します。

私が携帯している外傷用救急セットです。
写真の左から、@ハサミ(普通サイズ)=テープのカットに必要です。極小サイズのハサミは使いづらいのでダメ。 Aキネシオテープ(38~50mm)=足の疲れ 予防やマメ対策に使用します。 Bリバテープ(大・中・小)を各5枚程度。 C消毒液。 D外傷用軟膏。 E
マメ治療に必要です。 Fティシュ。 G炎症個所の最適療法はアイシングです。お宿で冷蔵庫の氷をもらい、患部を冷やします。これはお奨めです。 *この他に、常用の内服薬があれば一緒に携帯し ます。 なお、野宿される方は百足や虫さされ治療薬も持参してください。 

お賽銭?   

道中では、小銭の補給や両替に留意してください。=両替できるお寺も多いです。

各寺院の本堂、大師堂及びその他御堂には賽銭箱が設けられています。 参拝の毎にお賽銭を志納すればその回数は相当数に上ります。
有り余るお金をお持ちならいざ知らず、自分の持参する小銭の中からお賽銭を志納するのであればをされてください。
歩き遍路さんが携帯できるコイン枚数はせいぜい50枚ぐらいです。 1円玉で50円、5円玉で250円、10円玉で500円、100円玉では5000円に もなります。 そして、50枚ぐらいのコインは早い内に消費してしまいますし、小銭がなくなったからといって500円玉をいつもお賽銭に志納するわけにも いきません。
お賽銭対策として、@コンビニなどでの買物時には両替を忘れないようにしてください。 A札所の中には、両替してくれる納経所も数多くありますので両替を依頼してください。 B
お賽銭の金額相場は5円玉又は10円玉1個が多い様子です。 → でも、お奨めのお賽銭は1円玉1個です。
札所寺院では、何をするにも「志納」・「喜捨」・「奉納」とか「協力金」とかの名目でさも当然の如く参拝者にお金を求められます。 結構にお金を支払い ますが、不思議なことに寺院側から「ありがとう」や「感謝の言葉」などが返されることはありません。 ○納経所で納経帳500円、朱印300円、御軸 700円を支払います。 → 一般社会の時間コストや労務コストから計算すれば、目玉が飛び出るほどの金額です。 ○線香やローソク等の販売単価はコンビニな どと比べようもないほどです。 ○お賽銭も無視できません。 ○各札所毎にこうした支出が繰り返されるのです。 → お賽銭を含め志納金や喜捨の金額は、 参拝者のご自由ですがされることをお奨めします。 バチ当たりとは思いますが、志納する100円玉1個を節約し、のどの渇きを潤す自動販売機に投入する方がはるかに我が身に功徳を及ぼすと思います。
蛇足です。 札所巡りの自動車遍路さん達はお賽銭を納め、結構な納経料を支払った上に、更にお寺によっては割高な駐車料や通行料金等をさも当然の如くに求めています。 しかも、そんなお寺では“支払うのが不満なら歩いて来ればいい…”と空うそぶく対応等も現に多く見受けられるのです。 沢山のお寺の中の一部の方々だけだろうと願いますが、尊大に上から目線で対応している「お寺」や「お坊さん」って、何なんでしょう? お寺って、お坊さん達って、参拝者や 一般の方々よりも秀でた能力などを何かお持ちなのでしょうか? 優れた貢献や社会奉仕などを何処かで、何か、周囲に布施されているのでしょうか? 世襲でお坊さんになったから、お遍路を下に見るが如きの傲慢さや上辺を飾る虚しさ、そして坊主特有の慢心に気付き得る感覚さえも見失しない喪失してしまったのでしょうか? 煩悩解脱の意思を表す旗印ともされる袈裟衣、はたして坊主自身が旗印たる袈裟衣を裏切っていることはな いのでしょうか? 

 昔と変わらぬ本物の「歩き遍路」に関心のある方はこちらをご覧ください。 お四国センター 直心(じきしん)

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