お遍路は、未知の世界・見知らぬ山河をひとりで歩いてゆきます。 体験から、事前の準備や訓練を積まずに無知・無策で「お四国」に挑むのは大怪我の元です。 「痛めた身体は、歩きながら治す。」との凄まじい気迫で歩き得るのは、訓練を重ね鍛錬を極めた一握りの
修験者だけだと思います。 普通のお遍路さんには、「お四国」に出かける前にそれなりの準備や訓練を積み、本番で苦しんだり、困窮したりしないようにして
から「歩き遍路」に出かけて欲しいと願います。
健康診断などを受診し、ご自分の健康状態を客観的に把握してください。 この世に、100%健康で、身体に何の不安も無い方など、ほとんどいないでしょうし、どこかに弱点を抱えておられる方がほとんどだろうと思います。 気付かないままで、ご自分に無理強いさせ ないためにも、客観的な方法で健康状態を事前に把握してください。
次のような訓練を続けてください。 ⇒ できれば、六ヶ月前から訓練を始めてください。
目標意識の薄い散歩やウォーキングと、目標意識を明確に持つ「歩き」と比べれば、距離と時間が同じであっても効果には雲泥の差があると思います。 できれば、一万歩/日を続けてください。 10,000歩×0.7m=7kmです。
途中で休まずに連続する5〜10kmの足慣らし歩行を始めてください。 途中に休憩などを入れないで歩いてください。
リュックに重りを入れて、10〜15km歩いてください。 重りとして5〜6kg程度(ペットボトル
10〜12本)でチャレンジしてください。 ⇒ そのリュックは貴方に馴染みますか? 肩への食い込み具合はどうでしたか? 本番に持参する予定の荷物の
重さはどのくらいですか?
雨の日に、敢て雨具を着けリュックを背負って、2〜3時間は歩いてください。 ⇒ 雨具の防水性能は? 雨具の中の湿気は? 靴の防水性能は? リュック内部への浸透は? 雨対策を実際に体験してください。 ⇒注意、「撥水」は防水ではありません。簡単に水が内部に浸透してきます。
誰でも、痛みなどを我慢しさえすれば、一日に20kmは歩けます。 お遍路さんは、毎日歩きます。 昨日も、
今日も、明日も、そして明後日も毎日歩いてゆきます。 だから、本番前に連続して二日間、リュックを背負って予行演習を実施してください。 ⇒ 膝・腰・
肩などの疲労とその回復度合いはどうですか? その靴は大丈夫ですか? 足にマメはできましたか?
お遍路さんは、下り坂や登り坂を繰返し歩きます。 下り坂や下り階段ではつま先の筋肉が、登り坂や登り道では
つま先を上げる筋肉の強化が必要です。 坂道や階段で苦労しないためにも、「つま先立ち(=ふくらはぎを強くします。)」と「つま先あげ(=すねの前を強
くします。)」の運動を続けてください。
歩く前の柔軟体操、歩いた後に筋肉をほぐす柔軟体操は大切です。 ご自分なりに習得してください。 柔軟体操のポイントは、「ジヮー」とゆっくり長めに筋肉を伸ばし、関節部分はゆっくり大きく回してやることです。
ご自分で初期治療するしかありません。 周りには誰もいません。
昔と変わらぬ本物の「歩き遍路」に関心のある方はこちらをご覧ください。⇒ お四国センター 直心(じきしん)
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